足の大きい女性はこれまで、おしゃれをあきらめる傾向にありました。靴屋は往々にして足の大きい女性は世間にあまり多くないと見込んで24.5cm以上の靴は初めから少ししか仕入れません。それが売れてしまったら、もうないのです。いや、あるにはあります。でも、残っているのはほとんどくすんだ色と最先端からかなりずれた、お世辞にも可愛いとは言い難いおばさん向けの靴ばかり。
オバサンになるから足が成長するわけでもないのに、不思議ですよね。ていうか、若いのに足が大きいって、おしゃれをあきらめなければならないほどの罪なの?と怒りを胸に店を後にしたことがある女性も少なくないはずです。
で、そういう女性たちに希望の光を与えてくれるもの。それが靴通販サイトです。通販なら、限られたスペースに実物を並べておかなければならないリアル靴屋と違ってサイズに幅があります。
靴の通販サイトは数限りなくあります。ファッション大手のニッセン、セシール、ベルメゾン、ベルーナ。みんな、LLサイズ25cm以上の靴を取り扱っています。多すぎて選べない、どこがいいの?という人の為に一応筆者の体験談を。
甲高幅広の女性のことを考えて、通販サイトの靴の説明欄では「E」の数でゆったり具合を表してくれています。ここで気をつけなければいけないのは、Eの数が最高の4だとしても、そこまで厳密な共通規格はなく、デザインやメーカーによってある程度あいまいだということです。かく言う筆者、Eの数にどれだけ惑わされ、泣かされてきたことか。
可愛いデザインの靴は履きたい、無理してでも履きたい、とあたかもシンデレラの義理の姉のような執念で無理やり足をねじ込んでみても、その後は悲惨です。本人はおしゃれの代償に痛みに耐え、靴は靴で足の骨の出っ張ったところから色が薄くなってぼろくなっていくという顛末。筆者は幾多の靴をこれで苦界に沈めてきました。(単に「捨てざるを得なかった」とも言いますが)
Eの数だけで、あるいは甲高幅広の方用という言葉だけでクリックする失敗します。通販サイトには幅広いサイズの靴がありますが、履いてみて選べないのがネックです。
そんな通販サイトの中にあって、アマゾンは割と失敗が少ないように感じます。実際に靴を履いてみた場合の、細かいところまで説明してくれている場合が多いからです。商品の靴を実際に履いてみてレポートする役目の、シンデレラと呼ばれる人たちがいるからです。だから、アマゾンが一番失敗が少ないと言えますが、カタログ表示を依頼しているだけのショップは自分の店から発送してきますので、そこはケース・バイ・ケースです。
靴選びで特に難しいのがパンプスですよね。かかとが高く体重が前にかかってしまうため、パンプスはどうしてもつま先が痛くなりがちです。それを防ぐために、クッション性のいい素材をふんだんに使っている製品も出てきています。これはありがたいです。クッション性を重視するあまりインソールを自分で買ってがっつり入れると、その分靴内部の容量が減ってしまい、足の大きい女性にとって最大の悲劇が待っています。
あと、材質ですが、本革製の方が伸縮が利くので、合皮よりこちらがおすすめです。本革は手入れに手間がかかるのと、雨の日に気をつけなければならないことから敬遠されがちです。梅雨時にしまいっぱなしにしていただけでぼろくなったりカビが生えたりという話も聞きます。それを解消するために、最近は防汚防水スプレーが市販されています。大切な靴にはそれを使いましょう。
オシャレな可愛い靴を履くのは足の小さい女の子だけの特権ではないと胸を張って示し、街を闊歩するにはやはりそれなりの準備と予備知識は必要ですね。