本人の足は、室内で靴を脱いだり正座したりする生活習慣が長いことや、靴ではなく草履という西洋とは全く異なる履物文化を持っていたためか、
足の幅だけでなく足全体が太い傾向があるようです。
国内のショップにあるようなインポート品は、まだ日本のマーケットを踏まえた上で仕入れをしているのか、
思っているほど違和感を感じることは少ないかもしれませんが、それでも幅が狭いものが多いです。
どんなに素敵でも、とても無理と思いあきらめる人は結構いるはずです。
海外旅行先でためし履きをするとどうでしょうか。パンプス類は幅が極端に狭く、ブーツの筒周りが狭くファスナー上がらない、
またはうっ血するような物がうじゃうじゃあるはずです。
日本の靴メーカーは、さすがにこの事を熟知していますので、日本製であれば普通サイズのパンプスでごく一般的な体型の人がそう困ることはありません。
ただし、見た目に良いデザインや流行を優先させているものとなると別で、若くて皮下脂肪率が低い人でないと大抵の場合窮屈に感じます。
つま先の形やデザインによっても履き心地は変わりますが、普通サイズをEとすると、履き心地がゆったりとして良いのは2Eサイズです。
Eや2Eというのは、足の指付け根部分、一番幅のある所をぐるりと測った足の周囲のサイズのことです。
女性の場合、毎月のように体に変化は訪れますし、妊娠・出産もあり体型も変わります。
そうでなくとも30代後半位からは、自覚していないだけでむくみやすくなっています。
若い頃から体重が変わらないという人でも、確実に皮下脂肪率は増えむくみも加わるので、
数年前までは苦もなく履けていたパンプスが、急にきつく辛くなっていたという事が起きるのです。
また、もともと肉付きの良い体型の人の場合は、足囲もあるためEサイズでは窮屈になります。
足幅の窮屈さだけではなく、履き口が甲に食い込む状態になるためです。
パンプスをひっくり返して底面を見ると、インポート品は見た目にもかなり細いのがわかります。
それに対して、日本製のものは随分幅広く見えます。
底面だけではなく、見た目も日本製の2Eサイズのパンプスはふっくらとしており、雰囲気がどこかころんとしてイモ臭くはあります。
大抵の場合、この見た目のイモ臭さを敬遠して、幅の狭い足に合わないパンプスを履いていることが多いのです。
やはり、パンプスとしてデザインがおしゃれな物ほど、足囲サイズはタイトではあります。
つま先がスクエアで太く、ワイズ(足囲サイズ)に余裕があり、履きやすいおしゃれなブランドも国内外問わずありますが、
大抵の場合、ヒールもズドンとして太いため、フェミニンなパンプスを好む人達からは依然として受け入れられない傾向もあるため、
なかなか難しいのですが、パンプスのデザインを選ぶ際カジュアルな雰囲気のものに挑戦すると良いかもしれません。
若くて華奢な細身の人以外、日本人であれば多くの女性がこの2Eサイズのパンプスを履きやすく感じるはずです。
仕事上女性らしくきちんとした服装で、長時間立っていたり歩かねばならないサービス業のOLの人達には良いはずです。
普段からジーンズ以外はフェミニンな服装が多く、パンプスを履く機会が多い若いお母さんや、
スニーカーやひも靴をためらう、お年を召した方にも向いています。
おおむね年を取ってくると、否応なく2Eサイズ以上のパンプスが楽になってきますし、最近のシニア・シルバーの人達の方がよほど活発に行動的に外出しています。
ある意味、この層が現在もそうですが、日本の大半を占めてくるわけです。
そうした意味で、2Eサイズのパンプスは、いわゆる国民的なパンプスと言えます。