パンプスには、パンプス本体の見た目がとっても魅力的な物、履くことでその人のボディラインを美しく見せてくれるもの、パンプスでありながら快適な歩行性をかなえてくれるものなど、さまざまな役割があります。そして、それらの役割は1足にすべて託されているのではなく、各パンプスごとに、何が得意で何が不得意化という分野が異なっているのが事実です。ですから、オシャレを本当に楽しむためには、パンプスをシーンによって使い分ける必要があるでしょう。
■日本人は足に無関心?
実は、日本人はほかの国の人たちと比較しても、自分の足の状態に注意を払っている人が大変少ないといわれています。その証拠に、外反母趾や偏平足などの悩みを抱えながら、特に何の対処もしないままに生活している人が大変多いのです。しかも、それらのトラブルを抱えている人は全体の8割にも上るといわれています。
実は、靴の本場で知られているドイツでは、足と靴との関係を重視していることから、生まれたばかりの赤ちゃんのころから足の健康診断を行っているのです。体の健康は、足の健康あってこそ。これまで自分の足に無関心だったという人も、シーン別のパンプスはきこなしで、足にやさしい生活を心がけてみましょう。
■ヒールの高さ別にはき分けしてみる
ヒールの高さは、見た目の優雅さだけでなく、履き心地も大きく左右します。そのため、どのようなシーンでパンプスを履くかを想定したうえで、ヒールの高さをチョイスすることは足にとってもやさしい選択です。
1.ほとんど歩かない場合
ほとんど歩かず、立ったままの姿勢または座ったままの姿勢が多いという場合には、7cm以上の高めのヒールでもOK。高いヒールは大人のいい女の象徴ですし、何より体全体がシェイプアップして見えるという嬉しい効果も。一駅歩くというのでしたら、10cm以上あるようなヒールは足に負担がかかってお勧めできませんが、限られた時間の中で、大人の女性を演出するという意味では、高めのヒールを楽しむのがおすすめです。
2.たくさん歩く場合
たくさん歩くことが想定される場合、ベストなのはスニーカーなどの履きなれた靴ですが、仕事上どうしてもパンプスを履かなければいけないということも多いと思います。そんな人におすすめなのが、2~3cm程度のヒール高さのパンプス。まったくヒールがないペタンコのパンプスも市販されていますが、足全体に負荷がかかってしまい、逆に足が疲れやすくなってしまうことも。そのため、若干のヒールはあった方がいいでしょう。2~3ヒールで、かつ手でソールが曲げられるような柔らかさのあるものが適しています。
3.足をきれいに見せたい場合
足が一番きれいに見えるパンプスのヒール高さは7㎝。ふくらはぎの一番高い部分の盛り上がりが上になり、とてもきれいなレッグラインが実現します。また、7cm程度であれば歩くのにもそこまで負担はかかりませんので、営業職の人やイベント時にもお勧めです。普段からヒールに慣れていないという場合には、太目のヒールのものを選ぶと安定感が増して歩きやすくなりますよ。反対に、いくら7㎝といっても、かかと部分から地面まで同じような細さのピンヒールタイプのものはグラグラしやすく、安定感もイマイチ。歩きなれていない人にとっては辛い履き心地となってしまうこともあるので、注意してください。
■おわりに
足に無関心な人が多い日本人。常にヒールの高いものばかりをセレクトしていると、足は休まる暇がありません。歩くときには適したものを、歩かなくていいときにはちょっぴり背伸びしたパンプスをといった風に、シーンごとにパンプスを履き分けて自分の足の健康を守ってあげましょう。