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靴の豆知識!パンプスの歴史について

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『身分ある人のための履物から、ファッションへ』

履物としての靴の歴史はとても古く、紀元前2500年頃のエジプトまででさかのぼります。
今でいうサンダルの形状で、鼻緒がついており、靴底を紐で足に巻きつけ固定して履くスタイルでした。
当時は裸足の人がほとんどで、履物であるサンダルを履いているのは、それなりの身分のある人に限られていました。

ヒールの高い靴は、背を高く見せる目的で、紀元前400年代のギリシャ、アテネの遊女たちの間で流行し、男性も履いていようです。
文化の爛熟度が高かった当時の人達から見ても、ヒールの高い靴を履いた姿は、やはりすらっとして格好良く、セクシーだったのですね。

ずっと時代が下った1570年頃のヴェネツィアでは、チョビンというイスラム風のハイヒールが、高級娼婦の間で流行ったようです。
これはかなり非実用的な形で、底と一体化したようなヒールは18cm位ととても高く、花瓶またはすり鉢の上に乗せられているスリッパ、という様な外観です。
とても歩けるようなものではなく、履いている時の姿が重視されていたようです。

『ハイヒール発祥の凄い理由』

現在のパンプスとしての形に近く、ハイヒールらしい形になるのは、1600年代のフランス、パリ。しかし発祥当時の目的はファッションではありませんでした。
当時の衛生概念は低く、おまるに近い物に用を足しては、建物の窓から街路にあたりかまわず投げ捨てるという状態、庭の木々の植え込みの中で済ませるといった燦々たる有様。
あの美しい庭園や、丈が長くおおきく膨らんだスカートはそのためでもあったようです。
歩く所があまりにも汚かったため、汚物で裾が汚れないようにするための物でもありました。これではペストが何度も大流行するはずです。
日本の江戸時代の方が、格段に清潔でエコロジカルな省エネ文化だと力説する方がいるのは、このあたりが最大の理由です。

さておき、このハイヒールをファッションにしたのは、かの太陽王ルイ14世です。
履いた時、背筋がピンと伸びる姿勢の美しさ、ふくらはぎの筋肉が締まる脚線美から、男女問わず履かせ、舞踏会を開いていました。
その頃の名残がルイヒールという、ヒール形状を表す名前で今も残っています。
その後さらに時代が下り、フランス革命後のナポレンオン戦争の頃から、男性は実用的なブーツタイプの靴を履くようになり、
ハイヒールは女性用の靴とみなされるようになっていきました。

『パンプス(Pumpus)の起源』

ところで、パンプスという名前の起源は諸説ありますが、英語のPumpという言葉から近代イギリスのようです。
馬車をあやつる御者用が運転しやすいように、かかとを低く、長時間履きやすいように履き口を深く広くカットした靴の形、
馬車のブレーキペダルを、ポンプのように何度かに分けて足で踏む様が、名前の由来となったようです。
履き口が浅く広いパンプスは、足を長く見せる効果があったので、ドレス用としてヒールの高さと共にデザインが転用されていったようです。
その後パンプスは、靴の製造技術が進化していくにつれ、ヒールは細く長く、装飾したものなどがつけられるように、様々に進化していきます。

私たちが女らしい履物と思っていたパンプスが、実はハイヒールとは少し違う意味を起源に持っていたなんて、とても意外でしたね!
現在の私たちが普段身につけている物の多くが、実はかつて大昔であれば、優雅とはかけ離れていた実用的ものが原型となっていることが多いようです。
ちょっと、つま先が尖っている、ヒールが細く高い、くらいで不自由に感じてしまうなど、今の時代はアクティブで、実用さ優先な時代なのですね。

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