一目ボレして買ったパンプスが履いてみたらキツかったり、夕方になると痛くなったりすること、結構ありますよね。
大きめのパンプスだったら中敷きを入れたり専用のシュークッションを装着したりして簡単に調節ができますが、窮屈なパンプスはあきらめてしまいがちです。
でも、大丈夫。キツいパンプスを伸ばす方法はあるのです。もちろん、あまりにも窮屈すぎるものでは伸ばすのにも限界がありますが、
「少し伸ばすことができれば」とか、「ここだけ当たって痛いんだけど」というような場合でしたら充分対処できます。
まずはシューズストレッチャーを使う方法です。
シューズストレッチャーには、シューキーパー型のパンプス全体を伸ばすものや、一部分を伸ばすポイントストレッチャーなど、
たくさんの種類があります。キツさに応じて使いやすいものを選んでくださいね。
シューキーパー型は、パンプスに差し込むだけのものと、差し込んでからネジを回して広げていくものがあります。
また、取り付けができるペグ(ボタンやダボという名前で呼ばれることも)が付属しているものもあり、痛む部分を重点的に伸ばすこともできます。
でも、ペグはストレッチャー本体に開けられた穴に差し込んで使うため、いつも自分が痛む部分と場所がズレていることもあります。
そんなときは、ポイントストレッチャーを使用しましょう。
ポイントストレッチャーはペンチ型をしているものが多く、アッパーの足が当たって痛い部分をはさみこみ、素材を伸ばすものです。
使用する際には、パンプスにキズがつかないよう、当て布を挟んでくださいね。タコやウオノメができやすい部分や、外反母趾が当たる部分を伸ばすとラクになりますよ。
これらのシューズストレッチャーを使用するときには、合わせて皮革柔軟剤を使うとさらに効果的です。
スプレータイプやクリームタイプ、ローションタイプがあります。素材によっても適した柔軟剤がありますので、使い分けるものもあるので、製品説明をチェックしてから購入しましょう。
ただし、皮革柔軟剤は合成皮革のパンプスには効果がありません。
靴の修理屋業者でも、窮屈なパンプスを伸ばすサービスをしているところもあります。
こうした業者には専用のシューズストレッチ用機械があり、パンプスを傷めないように一週間くらいかけてじっくり伸ばしてくれます。
素材やデザインなどによって伸ばせないものもあるので、まずは相談してみましょう。業者によって値段が違ってきますが、1,500円から2,000円のところが多いようです。
シューズストレッチャーを使わずに伸ばす方法もあります。厚めの靴下を履いた上からパンプスを履き、
ドライヤーの温風を当てながら、足を前後左右に揺らしてパンプスをストレッチさせます。
ドライヤーが近すぎるとパンプスを傷めてしまうので、10センチ以上離し、一箇所だけに集中しないでドライヤーを動かしながら全体に当てるようにしてください。
しばらく温めたあと、ドライヤーを切ってパンプスを履いたまま冷まします。
熱に弱い合成エナメルなどは表面が剥がれてしまうことがありますので、やめておきましょう。
これらの方法がめんどうな場合は、ジップロックなどの水が漏れないビニール袋に水を入れ、
それをパンプスの中にフィットするように差し込んでから、冷凍庫に入れます。
完全に凍ってからパンプスを取り出し、しばらく置いて中のビニールを取り出し、水分をふき取ってください。
これは水が凍るときにジワジワと体積が増す現象を利用したもので、氷に押されてパンプスが広がって履きやすくなるのです。
伸びが足りなかったときには、数回繰り返してみてください。
水に弱い素材のパンプスは、取り出したあとの冷えた状態では空気中の水蒸気が水滴となって付着しますので、こまめに水分をふき取っていきましょう。
小さめのパンプスを伸ばす方法は、このようにいくつかありますが、どこまでも伸びるわけではありませんし、
素材によっても伸びかたに違いがあります。無理をせず、パンプスを傷めない程度に伸ばしていきましょうね。