大人だったら欲しい上質なパンプスのブランドは、沢山ありますが、
履き心地が良く、履いている姿やイメージが格好良い、と言うことで一番なものは、ジミー・チュウです。
まだわりと新しめの英国ブランドなものの、官能的かつ履きやすさも兼ね備えていたためか、
瞬く間に有名になり素晴らしく良いイメージを持つブランドとして成長しました。
今回は、そんなジミー・チュウのパンプスを、ご紹介いたします。
『上等なハイヒールパンプスが出てくる映画』
「プラダを着た悪魔」という映画をご存じでしょうか。
アメリカのファッション雑誌の編集室(実在のヴォーヴ編集部がモデルらしいです)を舞台にした映画で、
タイトルは良い意味でも悪い意味でもインパクトがありますが、そこから連想する内容とは裏腹に、
アメリカのファッション事情を良く表した内容が所々見受けられ、ストーリーもさることながら興味深い映画となっています。
主人公のジャーナリスト志望の女性は、ファッション雑誌の編集長のアシスタントとして就職し、
いわゆるサイズが大きめのダサいファッションで初日から出社して、鬼編集長にジロリと睨まれます。
地味な色のプリーツスカート、シャツにVネックセーターというプレッピーな装いですが、
そのいでたちと靴を咎められると、これ、ミュウミュウなんですけれど…、とケロッと言うシーンがあります。
アバンギャルドなトレンド女子のイメージのミュウミュウですが、
アメリカファッションの中心地、ニューヨークのその現場では、ミュウミュウといえどもドタ靴として扱われてい所が面白い点です。
『効果的に使われるジミー・チュウのパンプス』
そんな垢抜けずイモくさい彼女に、ベテランのゲイの同僚は撮影済みのアイテムを色々選んで渡してくれます。
そのなかの1シーンに、やっぱり靴はジミー・チュウよ、と言ってハイヒールパンプスを渡すシーンがあります。
こんなに尖がったつま先で、ヒールが高いパンプスを履くのかと驚く主人公は、
翌日から見違えるようなファッションで、再び出勤します。
職場の人達からも目をとめられ、もちろん彼女の最大の武器は頭が良かったため、鬼編集長の彼女に対する態度も変わっていきます。
出来すぎた話とはいえ、ハイヒール後姿の足元から登場する彼女の変身ぶりに、
ジミー・チュウのハイヒールパンプスが効果的に使われています。
『ジミー・チュウというブランド』
ジミー・チュウは、マレーシアの華僑の家系の出身のジミー・チュウと、
1996年英国ヴォーヴ編集者であったタマラ・メロンが共同設立したブランドです。
繊細な美意識で官能的なムードながら、履きやすさでも定評があります。
ダイアナ妃やセックス・アンド・ザ・シティなど、著名人やセレブが愛用し、映画の小道具としても印象的なアイテムとなっていました。
『いつかは持ってみたい上等なパンプス、ジミー・チュウ』
ジミー・チュウを見ていると、その官能的な様に、靴好きであればやはりいつかは履いてみたいと必ず思わせる部分があります。
足に吸いつく靴と言うのは少し大げさですが、そのような履きやすさとフェティシズムがジミー・チュウらしい雰囲気のある世界を作っています。
今年のアカデミー賞授賞式でも、多くの著名人がジミー・チュウを履いてレッドカーペットに降り立っています。
特に2016年の新作には、パンプス本体とヒール全体にクリスタルをちりばめたパンプスが発表されており、
その大胆な輝きは感動的なものとなっています。
美術品の様な美しさは、ジミー・チュウにおいてはクリエイションの産物で、あくまで履いてこそ生きる姿で作られている点が、
他のハイブランドのシューズと異なるようです。