パンプスで一番ダメージを受けやすい部位は、やはりヒールの底ですよね。
いつも体重を支えながら地面との摩擦にさらされ、過酷な目に遭っているので当然でしょう。
かかとがすり減ってしまったパンプスを、皆さんはどうしていますか?
靴の修理屋さんに持っていく人もいれば、中には捨ててしまう人もいるのではないでしょうか。
でも、すり減ったかかとは、自分で簡単に修理できるのです。かかとさえ直せれば、パンプスも長持ちできますね。
パンプスの底の種類は、ヒールが靴裏から離れたものや、ペタンコパンプスやウェッジヒールの靴裏が一枚続きになっているものなどいろいろですね。
これらの種類で、修理方法も変わってくるので、まずは確認してみましょう。
ピンヒール
ヒールが細いものであれば、トップリフトという、ヒールの先端についた硬質ゴムが取り付けられているものが多いでしょう。
ここがすり減ると、中心の金具が露出して、歩くたびにカツカツ響くようになります。
こうなっては歩きづらいですし、なんだか貧相で恥ずかしいですよね。
このようなヒールの場合、先端のトップリフトさえ交換してしまえば、また快適なパンプスに元通りです。
トップリフトはインターネット通販やDIYショップで売られていますので、サイズを確かめてから購入しましょう。
新しいトップリフトを用意したら、ペンチやニッパーで劣化したトップリフトを引き抜きます。
このとき、あまりにも劣化が激しく、金具が露出した状態では、引き抜くのにとても苦労します。そんなときは、トップリフト用のペンチを買い求めておきましょう。
ゴム部分がなくなってゆがんでしまったトップリフトも、抜きやすい構造になっています。
そして新しいトップリフトを差し込み、金づちでトントンと打ち込んでいきます。
逆さにしたイスの足にパンプスを置くと、打ち込みやすいでしょう。このとき、中敷きにキズがつかないよう、布をあてがっておいてくださいね。
もしトップリフトの劣化がひどく、ヒール巻き部分まで侵食してしまっていたら、靴修理の専門家に相談してみてください。うまく補修してくれることもあります。
その他修理方法
靴裏が一枚続きのソールがすり減った場合は、部分補修用のパッチを当て、釘や接着剤で貼って補修しましょう。
このとき重要なのが、左右の高さをきちんと揃えることです。
高さが違うと骨格のゆがみの原因になることがありますので、しっかりチェックしてくださいね。
ヤスリやグラインダーなどで削って揃えてから、パッチを貼ります。
余談ですが、減り方が左右であまりにも違っている場合は、歩き方のクセのせいか、すでにゆがみが生じている可能性があります。
できれば整体などを受けたほうがいいでしょう。
ほかにも、「シューグー」というチューブに入った補修剤で、すり減ったところを直す方法があります。
色は黒、白、ゴム色がありますので、近い色を選んでください。ガムテープなどでかかと周りをくるんでから、シューグーを流し込み、ヘラで形を整えてから乾かします。
すっかり乾いてから、はみ出したところを削って整えましょう。
シューグーは乾ききっても普通の靴底よりやわらかいので長持ちはしませんが、パンプスの寿命を多少は延ばすことができます。
すり減ったかかとをそのままにして履いておくと、足の健康にもよくありません。
先ほど述べたように、骨格のゆがみを悪化させてしまうことにもなりますし、金具丸出しのカツカツ音がするかかとは着地ショックがもろに足に響き、足を傷める原因にもなります。
また、それをかばうように歩くと、今度は腰痛を引き起こすことにもなりかねませんので、かかとがすり減ったらすぐに対策をとるようにしてください。
すり減ったな、と気づいたときに修理をすると、トップリフトの交換もラクにできますし、靴裏の補修も簡単です。
自分の体のためにも、お気に入りのパンプスを長く履くためにも、早めに修理してくださいね。